最新版の訪問マッサージ施術料金について|医療保険の自己負担額をわかりやすく解説

「訪問マッサージを利用したいけれど、1回いくらくらいかかるの?」

 

初めて利用される方やご家族から、よくいただくご質問のひとつです。

 

医療保険を使った訪問マッサージの料金は、施術所が自由に決めているわけではなく、厚生労働省が定めた全国共通の算定基準によって決まります。

 

そして2026年7月1日から、この料金が改定されました。

 

今回は、現在の訪問マッサージ料金について、できるだけ分かりやすくご説明します。

 

2026年7月から訪問マッサージの料金が変わりました

 

2026年7月1日から、あん摩・マッサージ・指圧の療養費が改定されています。

 

訪問マッサージの場合、主に

  • マッサージをする身体の部位
  • 同じ建物で同じ日に施術を受ける人数
  • 変形徒手矯正術などを行うかどうか
  • 健康保険の自己負担割合

などによって、実際にお支払いいただく金額が変わります。

 

以前のように、「訪問する距離が遠くなるほど通常の訪問料金が高くなる」という仕組みではありません。

 

訪問マッサージの料金表【2026年7月改定】

 

まずは、医療保険上の料金(10割の金額)を見てみましょう。

 

施術部位 1人 2人 3~9人 10~19人 20人以上
1局所 2,770円 1,620円 930円 620円 540円
2局所 3,240円 2,090円 1,400円 1,090円 1,010円
3局所 3,710円 2,560円 1,870円 1,560円 1,480円
4局所  4,180円 3,030円 2,340円 2,030円 1,950円
5局所 4,650円 3,500円 2,810円 2,500円 2,420円

 

これはあくまで10割の料金です。

 

通常、ご自宅へ訪問してその方お一人だけを施術する場合は「1人」の欄が基本になります。

 

施設などで、同じ建物にいる複数の方を同じ日に施術する場合には人数によって料金区分が変わります。

 

 

「1局所」「5局所」って何のこと?

 

料金表を見ると「局所」という少し分かりにくい言葉が出てきます。

 

マッサージでは、身体を大きく次の5つに分けて考えます。

  • 躯幹(頭部を含む体幹)
  • 右上肢
  • 左上肢
  • 右下肢
  • 左下肢

 

このうち、医師からマッサージが必要と認められた範囲に応じて1局所~最大5局所まで算定されます。

 

たとえば右腕の複数の場所を施術しても、同じ「右上肢」の範囲であれば基本的には1局所です。

 

 

1割負担の方はいくらくらい?

 

ご自宅でお一人が訪問マッサージを受ける場合、基本となる訪問施術料の1割負担は次のようになります。

 

施術部位 10割料金 1割負担の目安
1局所 2,770円 277円
2局所 3,240円 324円
3局所 3,710円 371円
4局所 4,180円 418円
5局所 4,650円 465円

 

つまり、マッサージのみであれば1割負担の方で1回300~500円弱程度がひとつの目安です。

 

ただし、実際には関節の動きを改善するための「変形徒手矯正術」などを一緒に行う場合があります。そのため、施術内容によっては1割負担で500~600円台になることもあります。

 

なお、公費による医療費助成などを利用されている場合は、実際の自己負担額が異なることがあります。

 

 

関節が動かしにくい方には「変形徒手矯正術」を行う場合があります

 

関節拘縮などがあり、医師の同意を得て行う場合には「変形徒手矯正術」をマッサージと併せて算定できます。

 

料金は、

1肢につき470円(10割)

です。

 

左右の腕・左右の脚の最大4肢まで対象となります。

 

たとえば、ご自宅で1人の方に5局所のマッサージを行い、4肢すべてに変形徒手矯正術を行った場合は、

4,650円+470円×4肢=6,530円

となります。

 

1割負担の方であれば、自己負担の目安は653円です。

 

このように、同じ訪問マッサージでも、医師の同意内容や実際の施術内容によって料金は少し変わります。

 

 

その他に加算されることがある料金

 

必要に応じて、次のような料金が算定されることがあります。

 

内容 10割料金
温罨法 180円
温罨法+電気光線器具 300円
変形徒手矯正術 1肢470円
特別地域加算 250円
施術報告書交付料 480円
明細書発行加算 10円

 

「温罨法+電気光線器具」は180円に300円を足すのではなく、合計300円として算定します。

 

また、変形徒手矯正術と温罨法を同時に算定することはできません。

 

これらはすべての方に毎回かかる料金ではなく、それぞれ一定の条件を満たした場合に算定されます。

 

 

訪問する距離によって料金は高くなるの?

 

ここは以前の制度と大きく変わったところです。

 

2024年10月から、定期的・計画的にご自宅や施設へ訪問して施術を行う場合には、マッサージ料金と訪問にかかる費用をまとめた「訪問施術料」が使われるようになりました。

 

そのため、通常の訪問マッサージでは、

「近いから安い」

「遠いから高い」

という料金設定ではありません。

 

以前あった4kmを超えた場合の距離による加算も廃止されています。

なお、「往療料2,300円」という料金も制度上残っていますが、これは通常の定期的な訪問とは別に、突発的な往療が必要になった場合などに算定されるものです。通常の訪問施術料と同じ意味ではありません。

 

 

16kmを超える場所には訪問できないの?

 

訪問マッサージでは、距離についてもうひとつ大切なルールがあります。

 

厚生労働省の基準では、片道16kmを超える訪問については、訪問施術を必要とする「絶対的な理由」がある場合を除き、保険での算定は認められません。

 

そのため、一般的には施術所から片道16km以内が訪問範囲のひとつの目安になります。

 

「16kmを超えたら絶対に訪問できない」という意味ではありませんが、保険を使った訪問施術として認められるのは例外的な場合となります。

 

 

施設で受ける場合は料金が違うことがあります

 

老人ホームや高齢者住宅などでは、同じ建物で同じ日に複数の方が訪問マッサージを受けることがあります。

 

この場合は、その人数によって訪問施術料が変わります。

 

そのため、

「自宅で一人で受ける場合」

「施設で複数の方が同じ日に受ける場合」

では、同じ施術内容でも料金が異なることがあります。

 

 

1か月に施術回数が多い場合について

 

2026年7月からは、同じ患者さんに対して同じ月の16回目以降の施術を行う場合、マッサージ、訪問施術料、温罨法、変形徒手矯正術などについて、所定料金の50%で算定する仕組みが導入されています。

 

通常の利用ではあまり意識する必要はありませんが、施術回数が多くなる場合には料金計算が変わることがあります。

 

 

結局、自分はいくらかかるの?

 

訪問マッサージの料金は、一律に「1回○○円」と決まるわけではありません。

 

主に、

施術する部位+施術内容+保険の自己負担割合

によって決まります。

 

ご自宅でお一人が利用される場合、1割負担の方では、基本のマッサージだけなら1回277~465円です。

 

関節拘縮などに対する変形徒手矯正術を行う場合には、500~600円台になることもあります。

「自分の場合はいくらになるの?」

「医療保険が使えるの?」

「家まで来てもらえるの?」

といった疑問がありましたら、事前に確認することができます。

 

医療保険を使った訪問マッサージは、筋麻痺や関節拘縮などがあり、医師がマッサージを必要と認めて同意した場合に対象となります。

 

料金だけでなく、医師の同意書の手続きや利用開始までの流れについても、お気軽にご相談ください。